こんばちは、バルルートでございます。
上方落語の有名な演目で『時うどん』というのがございます。
おっちょこちょいな男が、賢(かしこ)の男と一緒にうどんを食べようという話なんですが、まぁ、そんな感じで……。
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『これ、なんていう食べ物なン?』
「これはな、『はんばあぐ』いう食べモンや」
『へぇ。うまいんか、これ?』
「美味いに決まってるやないか。せやからこぉてきたんや。ていうか、お前にも金出せ、いうといたやないか」
『あぁ、せやせや。忘れてた。はよ食べよ。』
「そない急かすンやないで、これはな、ちゃんと真空パックにしてあるさかい、レンジでチンするか、鍋で湯煎したら食べられるように菜るんやで?」
『へぇ。よォ考えたあるな。はよ食べよいな』
「やかましやっちゃなぁ。もうちょっと待てッちゅうねん。このいれモンはちゃんとレンジ対応やさかいな、ココにハンバーグをだしてっと。で、上から特製のソースをかけて、と。なになに、ふんふん、一分半から二分と。しっかり温めたいし、二分にしとこかな……。と、よっしゃ、でけたで」
『おォ~~。めっちゃおいしそうやな。ソースもええ色してるし、厚みのあるはんばあぐ……。』
「おいおい、待てッ中てんねん、心配せぃでも半分残しといたるがな。アホやな、お前は……。ちゃんと切り分けたるがな……。」
『待てッて、そんなん言うて、お前全部食べる気やろぉ!』
「やかましなぁ。ちゃんと残しといたる、言うのに……。はフッ。あっつ。美味しいわ、これ。ほんま、平井牛いうんか、この肉。うん、めちゃくちゃジューシーやん。それにこのソース……。濃厚で美味しいなぁ……。箸がとまらへんわ。」
『お、おいおい。ほんまに半分残しといてくれよ? 俺の分無くなってまうがな……。』
「引っ張りなて、やかましな。黙って待ってぇって、ほんまにもぉ。しゃーないやっちゃ……。イヤしかし、ソース、ハンバーグ。どれも非の打ち所がないがな。店にいかんでも食べれるっちゅーのはありがたいなぁ……。えぇ、ほんま。うん、はむっ。」
『オイ、食べ過ぎちゃうか。あかんて、ほんま……。』
「引っ張りなて、ほんまにもぉ、もぉえぇ、ほれ、お前の分じゃ。」
『やっと来た、ちゃんと半分……。ッて、オイ、ほとんどあらへんやないか……。挽肉のかたまり……。一口分くらいと、ソースがあるだけやん……、ひどい、ひどすぎんで,これはなんぼなンでもないやろ、ひどいわ……。』
「やかましなぁ。食べへんのやったらおれがたべるで?」
『喰うわ! くわいでか! ほんまにもぉ、半分は俺も金出しとんねん、なんちゅうこっちゃ、半分金出して、ええ肉のはんばあぐが一口だけ、後はソースだけって、ほんまにもぉ。はむ……。あ、ホンマ美味しい……。ソースもうまいわ……。じゅじゅっ。』
「せやろ、美味しいやろ? おれの言うた通りやないか。」
『よォ言うわ、半分ずつや言うたのに、俺一口しか食べてへんや無いか!』
「まぁそう言いなて。おいしかってんし、落ち着いたら店でタンと食べさしたるがな。」
『ホンマやな! 約束やで!!』
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さて、この約束はほんまに守られるんでしょうか……。美味いオチが思いつきませんで、申し訳ありません。
でも、ハンバーグが美味しかったのは本当です。
ごちそうさまでした。
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